1%の甘さで


「今、会ったじゃないですか!だから明日も会うかもしれませんよ!?」



なにに対してムキになってるかわからないが、必死になって言い返した。



「普段は1年と2年が会うことはあまりないんだけど。」



この学校は特殊で1年の塔と、2年の塔、3年の塔がそれぞれあるから用がない限り滅多に会わない。



そのことを言ってるんだと思うけど、なぜか私の心がズキンっと反応した気がした。




「…じゃあ、ここで会うかもしれませんね!」



ここの中庭には猫ちゃんがいる。



だから優哉先輩は毎日ここに来てる気がする。



親友2人のことを思い出し、急に走り出した私にギョッとした優哉先輩が背後から声をかけてきた。



「もう来んな」



そう言った優哉先輩に走りながら振り返り、叫ぶ。




「また来ますからぁーーー!!」




私の叫び声が学校全体に響いた気がした。


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