1%の甘さで


「優哉くん!?なんでこんな後輩庇うのよ!」



動揺した女の先輩の1人が何か言ったのを聞き流すくらい、私は優哉先輩に夢中だった。



優哉先輩…かっこよすぎて目がくらみます。



好きだと気づいたからか、当たり前かもしれないけど前よりも意識してしまう。



「お前らやめろよ!俺の妹泣かせんな!」



ようやくハッとしたお兄ちゃんがいかにも今の俺かっこいい〜!っという顔で言った。


そういえば、今までなにポカーンっとしてたんだよ!このナルシスト野郎!!



「泣いてないし」


そんな怒りを抑えて一言訂正を入れた。



そもそも私泣いてないからね!?


そんな私の言葉など都合のいいお兄ちゃんの耳には聞こえてないようで華麗にスルーされた。



「えっ!夏くんの妹さんだったの!?」



「ごっ、ごめんねぇ。」



「…さすが夏くんの妹さんだねぇ〜!顔が整ってる!!」




いや、今更媚び売っても全然響かないよ!?



どうせお兄ちゃん目的なんだろーけど…。



もうこういう人たち本当に嫌いなんだよね。だって私がお兄ちゃんの妹だと知った途端態度変えて私に媚び売ってお兄ちゃんに好印象を与えたいとか企んでて本当に気味が悪い。それに杏里たちは美人だからか、敵意抱きまくってるし。杏里とお兄ちゃんが付き合ってるって知らないからバカみたいに媚び売ってんだろーけどね。



おおっと、つい本音がマシンガントークで出てしまったよ。

< 66 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop