1%の甘さで
まさか優哉先輩が私に気づくなんて思わなかったし、せっかく合った目を先に逸らしてしまった。
無理無理無理!!
私、今めっちゃ変な顔してた!
でもでもでも、せっかく合った目を私から先に逸らしちゃうなんて勿体無いことしたな。
「よーし、そんなに俺の話は聞きたくないのか。わかったぞ、今日はこれを片付けてもらおうかな」
優哉先輩のことでいっぱいいっぱいで悩んでいたから、先生が再び般若顔になっていることに気が付かなかった。
やばい!なにも聞いてなかった!!
「わかりました!」
返事だけは一丁前の私を見てため息をつかれたけど。
「じゃあ頼んだぞー、これ」
もうこれ以上私の相手をしたくないのか、指先でトントンっと叩いたそれ。