1%の甘さで
今にも落ちそうな大量の資料を抱え、職員室を後にした。
職員室を出る時、視界の端で優哉先輩がこっちを見ている気がした。
「…うー、重い」
普段重いものを持たない私はもうすでに限界が近づいていた。
普段より長く感じる教室までの道のり。
本当に重たい、手と腕が限界だよ!!
「ほら、半分持つから頂戴」
よろよろと歩いていた私の背後から声がかかった。
「優哉先輩?」
「…なに?」
いやいやいや!?
なにじゃなくて!!
なんでここにいるの?
なんで私を助けてくれるの?
なんて湧いている疑問はたくさんあるのに。
「なんでも…ないです。ありがとうございます!」
「あっそ」
今は優哉先輩の優しさに理由を求めたくない、なんて思うのはなんでかな。