1%の甘さで
2人で半分こした資料は優哉先輩の方が少し多かった。
本当に優しい人だな。
そんな優哉先輩だからどんどん好きになっちゃうよ!
これ以上私を好きにならせてどうする気なの!?
と、心の中で叫びまくってる私に気づくわけがなく長い足で隣を歩いている。
短い私の足と長い優哉先輩の足は歩幅が違うわけで、意識しないと歩くスピードが違ってくる。
私に合わせてくれているスピードにまた優しさを感じる。
「本当に優哉先輩って優しいですよね」
「そんなこと言う物好きはお前だけだよ」
えー?なんでみんな言わないんだろう。
こんなにも優しい人なのに。
でもこの優しさは、このわかりにくい優しさはみんなわからないでいいなんて……こんな暗い感情持ちたくないのに。
こちらから顔を背けている優哉先輩の表情はわからないけど、耳が少し赤く染まっているのが見える。
どうしよもなく、今だけは優哉先輩を独占したいと思ってしまう。