1%の甘さで


あぁ…この時間がもっと続けば良いのに。


なんて、らしくないことを考えている。



さっきまで長く感じた道のりは、今では体感30秒ぐらいで教室に着いてしまった。



もう着いたの?早くない?



私の席に資料を置いたら、すぐ隣の席に残りの資料を置いてくれた。



もう帰っちゃうよね?



なにか次に繋がる約束はないかと考えていると、先に優哉先輩から声をかけられた。



「これ、やるんだろ?早くしないと日が暮れる」



優哉先輩は私の隣の席に座るとどこからか出したホッチキスで止め始めた。



「え!手伝ってくれるんですか!?」


「…うるさい」



顔を歪める優哉先輩の前に立って捲し立てる私。



「いやいや!!ここまで運んでくれたのにまだ手伝わせるなんて出来ません!!」



「だから早くしないとこの量、日暮れるだろうが。そしたら前みたいなことが起きるかもしれないだろ」



この前みたいなこと?



あ!あの気持ち悪いおじさんに襲われかけたことか!



もしかして心配してくれてるの?


そうだったら…めっちゃ嬉しいな。

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