1%の甘さで
ほんとはここで手を繋げたら完璧なんだけど、私たちは両思いでも恋人同士でもないからできない。
…うっ、自分で言ってて悲しくなってきた。
「急にどうした?」
少しだけ歩くスピードが落ちたのがわかったのか少し先で待ってくれる優哉先輩に胸がドキドキ高鳴っていく。
あ……あれ、これって告白できそうな雰囲気?
夕日が差し込んだ、誰もいない廊下に2人きり。
どうしよう、言ってしまいたい。
でも、私は全然優哉先輩のこと知らない。
優哉先輩も同じように私のことなんて全然知らないだろう。
そんな状況で想いを伝えても、困らせて気まずくなって終わってしまう。
それは嫌だ。
せっかく知れた恋だから。
まだまだこの恋に浸っていたい。