1%の甘さで


幻聴じゃないよね?


たしかにさっき茉莉って呼んでくれたよね?



「私の名前知ってくれてたんですか!?」



「自分から自己紹介してただろ」



助けてくれた時、たしかに私から自己紹介したけど下の名前まで覚えてくれてたなんて思わなかった。



「嬉しいです!これからもどんどん呼んでください!」



私の勢いに押され気味の優哉先輩。



「…はぁ」


「待ってくださいよ!」


めんどくさそうな顔をして歩き出した優哉先輩を慌てて追いかける。


まさか自分が名前を呼ばれたぐらいでこんなに喜べるとは思わなかったな。



「ニヤニヤすんな」


「…あのー茉莉って呼ぶ声、録音させてくれませんか?」


「きもい」


「そこをなんとか!!お願いします!!」


「無理」


「優哉先輩ー!!」




私の叫び声が放課後の廊下に響き渡っていた。



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