君とスマホと僕と
「なぁ、如月。副委員長とどーいう関係?」
HRが終わるとすぐさまクラスメイトたちが陵の席を囲んだ。正確に言うと、陵と僕の席を、陵側に男子が、僕側に女子が集まった。実際そうではないのだが、僕と陵がクラスの男女を引き連れて対立でもしているかのように見えなくもない。
「あぁ、ごめん。本当に人違いだったみたい。」
陵の言葉に男子は、つまらないとでも言うような仕草をした。失礼なやつめ。
「本当にごめんね、遊宇君。」
陵はヘラっと笑った。性懲りもなくアカウント名で呼ぶ姿に反省の色はない。
「申し訳ないと思ってるんだったらその呼び方、やめてくんない?」
僕の言葉に陵は苦笑の色を滲ませた。
「そんなこと言ったって、如月は副委員長の名前、知らないだろ?」
クラスメイトの挙げた抗議の声に僕は一理あると思いながらも、こっそりため息を吐いた。
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