お楽しみが待ってる

あ、じゃあお父さんは?


うん。もともとが、タフな人だったから。
医者が驚くほど、リハビリ頑張ってくれて…

周りの予想以上に、生活できるようになった。

元気になった途端に、
なんで戻って来たって怒られてさー。

もう、呆れて笑うしかなかったよ。

俺の会社は、俺の後を継ぐ奴を決めてある。
お前は、もう帰れって。

…たぶん…俺のために言ってくれたんだと
思うんだけどね…。


ありがたく、その言葉に甘えるわ。って
言ったら、親父のやつ…

子供は…いつまでも親に甘えて
いいんだって、威張ってたよ。

そんな、ショボくれた顔…
もう見てられないから、さっさと帰れって。


…そう。よかったね。元気になられて…。


うん…。
この先、もし、親父に何かあっても、
今の従業員が、継いでやって行けるように
手はずを整えて来た。


だから、もう心配はいらないんだ。

それなのに…。


え?

アキには…もう誰かいるの?
もし、そうなら…。


…どうするの。


奪い返す。
あたしを、真っ直ぐ見つめて言う。


体が…熱くなる。
…どうやってよ…。


例えば…そこに、都合良くベッドがある。


…で?



2年越しの気持ちを伝えたい…です。


…そこで、弱気になるのはやめてよ!
つい、笑ってしまうあたしに、

ちょっとホッとしたように、笑う。




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