お楽しみが待ってる
聞かせてよ、アキ。
ん?
今、アキの心ん中に、俺はもういないの?
…いないわけないでしょ?
ずっと、ずっと恨んでたんだから。
俺は…ずっと…愛してたよ。アキ。
例え…恨まれてたとしても。
あたしを見る目の熱さに、耐えきれない…。
ギブアップ。
…もう、いい。
あたしが、何を言うのか…
待ってる洋平の瞳が…揺れている。
もう、素直になるしかない。
洋平…。
あたしの…2年越しの気持ちも、聞いてくれる?
え?うん。もちろん…。
なんと、都合の良いことに…
そこにベッドもあることだし?
洋平の顔が、一瞬で生気を持つ。
アキ…。
向かい側に座っていた洋平が、
あっという間に、あたしの体をかき抱く。
ずっと、触れたかった…。
もう、二度と抱きしめられないと…
痛いほどの力が、あたしを包む。
アキ…ほんとに…俺…。
言葉にならないほどの、感情が…
あたしの唇に…しびれるほど伝わる。
洋平…。
もう…離さないで。
やっとあいた唇で、そう言うと…。
頼まれても、離さない。
もう…絶対、離さないよ?アキ…。
また激しく…唇をふさぎ…。
あたしの体を、強く抱きしめる。
抱きしめた腕で、あたしの体を
味わっているように、深くため息を吐く。
2年越しの気持ちを伝えあったら…
これからの2人を、夢見よう。
あたしたちには…
お楽しみが、待ってる。