イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「あら～。こんなところで両手に花？」

聞き覚えのある声に顔を上げると・・・

「三浦か～相変らず棘のある言い方しかできないんだな」

「あらそう？そんなつもりはなかったんだけど・・・悪かったわね。そうそう、今日の合コンの相手はお医者様なのよ。せっかく大沢さんを誘ったのに」

めっちゃ怒ってる。

「すみません」

だが、それに反論したのは宮田さんだった。

「お前、何言ってんの？何恩着せがましい言い方してんの？どうせ自分の都合でしか考えてないんだよな。大沢さんはお前みたいなやつと違って合コンなんかしなくたって問題ないんだよ」

いつもやさしい言葉遣いの宮田さんとは思えない口調で三浦さんに苦言を呈するなんて思ってもいなかった。

そして 言われた方の三浦さんはというと見る見るうちに怒りに満ちた顔になる。

「はあ？あんたに何がわかるっていうの？私は･･･私は」

「わかんねーよ。わかりたいとも思わない」

三浦さんは今にも泣きそうな目を必死に抑えるように唇をかみしめ宮田さんを睨みつけると何も言わず行ってしまった。

「宮田さん･･･さっきの言い方はちょっと」

文佳が三浦さんの後姿を見ながら言うと、さっきまで怒っていた宮田さんの表情が急に柔らかくなる。

「いいんだよ。彼女にはあのくらい言わないとわからないんだから」

わからないのは宮田さんでは？

ああやってわざわざ宮田さんに合コンすることを報告するのは、好きの裏返しなのだろうと思う。

ただ、当の本人がそれに気づいてない場合が多いのだけど・・・

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