イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「元気だけど・・・今どこよ」

『いま?カナダのモントリオールよ~。みずほが仕事終わる時間を計算して朝早く起きたんだから~』

電話越しからでもわかるドヤ顔ならぬドヤ声だ。

「それはありがとうございますね。ところでどうなの?旅行は…あと半分あるんでしょ?」

『快適よ。毎日が楽しくて楽しくて』

それはよかったよ。

「よりゃ~よかったね」

ありきたりな返事しか出てこない。

『それよりみずほはどうなの?建一君とはうまくやってる?』

「……ぼちぼちかな~。でも慣れたとは思う」

『そう。でもあれだけのイケメンだから毎日がドキドキでしょ?もしかして彼の事好きになっちゃったりして?』

「あのね。何言ってんの?血は繋がってなくても私と建一さんは兄妹になったんだよ」

それじゃなくても時々ドキドキするような事があってこっちは大変なんだよ。

とは口が裂けてもいえない。勘違いのもとだ。
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