イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
結局、欲しかった見切りのお総菜は母との電話の間に完売してしまった。

家に帰っても一人だし、建一さんとはまだ兄妹ではないことを知らされたら一気にテンションが下がって、私は冷凍食品のお好み焼きを買って帰った。


――チン

無駄に広いリビングダイニングで一人食べる夕食は慣れたけど、チンするお好み焼きというのはなんとも言えない寂しさというか空しさというか…それもこれも母さんからの爆弾発言のせいだ。


私と建一さんはまだ他人。

って事はもし好きになっても許されるってこと?

いやいや、何考えてんの?

今はそうじゃなくていずれはそうなるだろうし、もう私の中で建一さんは兄だ。


お風呂に入り、ベッドに入る。

でもどうしても考えるのは自分がまだ七瀬ではないと言うことだった。

なんだか今日はいろんな事がありすぎて頭がパンクしそうになり私は気を紛らわすように本棚から大好きな漫画をベッドに置くと夢中で読んだ。

だってその方がなにも考えてくてすむからだ。

だが読んでいるうちに睡魔が襲い、私は気付かないうちに眠っていた。
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