イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
寝てる人を無理に起こすよりは自分が移動した方が手っ取り早いのかもしれない。

隣に建一さんがいたことで目が覚めてしまったし、読みかけの漫画を持ってリビングに移動するためベッドから下りようと動いたら寝ている建一さんの手が伸び私のお腹に手を回した。

「!!!!」

えええ?!声にならない悲鳴を心の中で叫ぶ。

なんで?これじゃあ動けない。

これじゃ朝までこのままじゃない。

私はがくっと肩を落とし健一さんの肩を揺する。

「建一さん。起きてください。ここは私の部屋ですよ。健一さんは隣のへやですよ~」

だがムニャムニャ言うだけでちゃんとした言葉が帰ってくるわけでもなく・・・

途方に暮れた私は仕方なくその場から動くことなく間接照明を付けて読みかけの漫画を読んだ。

もちろん全く頭の中に入る事はなかった。
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