イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

「部長どういうことなんです？」

「どうもこうも・・・俺だってさっき聞いたんだ。それよりお前の上司には今から伝えておくから会社を出る準備をしておけ。１５分後に１階エントランスに集合」

「…はい」

私は大きな溜息を吐くと応接室を出た。

するとさっきいなかった宮田さんがいて、私を見るなり駆け寄ってきた。

「え？大沢さ――」

その後ろにいたのが部長だったことに宮田さんは驚いていた。

「宮田、僕は急な接待が入ったから今から出てそのまま直帰する。後を頼むよ」

部長はいつもの様に優しい声で宮田さんの肩をポンと叩くと自分のデスクに戻ったが、宮田さんは私と部長がなぜ応接室から出てきたのか不思議でならない様子だ。

それは近くにいた文佳も同じで、私の方を向いて後でメールしてってジェスチャ―をする。

まさか一緒にパーティーなんて言えるわけがなく。

こうなったら部長に考えてもらおうと思いながら２人に軽く会釈をして私は持ち場へと戻った。