イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

そして経理部に戻った途端、上司がやってきた。

「事情は七瀬部長から聞いたよ。お母さん大丈夫？」

えええ？部長なんて言ったの？

「まあ…なんとか」

適当に言葉を返す。

「でも、まさか七瀬部長が大沢さんのお母さんと知り合いだとは世間は狭いね。とにかく早く行ってあげなさい」

「あ、ありがとうございます」

とりあえず、荷物を持って集合場所へと向かった。



１階につくと既に部長が待っていた。

「遅くなりました」

「行くよ」

会社を出ると目の前には車が止まっており、運転手さんが待機していた。

「これは？」

「親父の社用車だ」

さすがに社長の車だけあって黒塗りの高級車だ。

「田所さん。悪いけどこの順番で御願いします」

建一さんは運転手さんにメモを渡した。