イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「それはうれしいけど・・・まさか今日だけのって事じゃないわよね?」

美和子さんが疑いの目を向けるが、建一さんは動揺する事もなく余裕の笑顔を見せる。

「それはないですよ。だって僕たち一緒に暮らしてますから」

確かに一緒に暮らしてるよ。だけど意味が違うでしょ?間もなく兄妹になるんだよ。

健一さんの考えていることが益々わからない。そして美和子さんが何者なのかも。

「分かったわよ。でもどこでこんなかわいらしい子見つけちゃったの?みずほさん?困ったことがあったら私に言ってね。ってごめんなさい。私自己紹介してなかったわね。河合美和子。建一の亡くなった母の友人よ」

「こ、こちらこそよろしくお願いいたします」

「この人俺の顔見るたびに場所もわきまえず縁談話持ちかけてくるから」

嫌みにも聞こえる言い方はいつもの建一さんだ。

すると美和子さんは腰に手を当て私たちではなく、それを取り囲むギャラリーに目を向けた。そして1度咳払いをした。

「さっきから影でコソコソ話してるのは私の耳にまで聞こえたんだけど?良い度胸してるじゃない。
よく一目見た相手に好き勝手に言えるわね。そんなんだからいいと思う人に振り向いてもらえないのよ」

陰口を言っていた人達は一斉にしたを向く。

しかも美和子さんに刃向かう人は誰もいない。強すぎない?

一体なぜ?
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