イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「でも、まさかみずほが七瀬フーズの社員だなんて知らなかった。こんなことならもっと早く担当しておけばよかった」

「私もびっくりだよ」

「でも俺だってすぐに気付かなかったよね」

「それを言うなら信君だって、私の名刺で気付いたんでしょ?」

すると信君の目が私を見つめる。

「そりゃ~誰よりも色黒だったみずほがこんなに美人になってたんだから」

「そんなことないって。それを言うなら信君だって相当モテるよね」

信君は少し考える様な仕草をするとニヤッと口角をあげ「どうだろうね」と含みのある返事をした。それって相当モテるって事だな。

「ところでさ、みずほはまだあの家に住んでるの?」

一瞬で現実に引き戻された様な感覚になった。

「ううん。今は違うの実は――」

私は信君に、母が再婚した事、そして今新婚旅行に行っている事を話した。

もちろん七瀬フーズの社長と・・・とは言わなかった。

いや、言えなかった。実際にはまだ婚姻届けを出していないのだから。

そして年の近い兄が出来たことを話した。
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