イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
え?今なんていったの?

驚いて目を見開いていると建一さんは私との距離を詰め愛おしそうな優しい眼差しを向け抱きしめた。

「建一さん?」

「ごめんな。俺の中途半端な態度がお前を苦しめているって分かっていたんだけど…勇気がなかった。でも今言った事は嘘じゃない俺の本心だ。お前を誰にも渡したくないし、渡すつもりもない」

「でもそれは・・・妹として?」

建一さんは更に強く私を抱きしめた。

「なわけあるか。俺の一世一代の告白を聞いてなかったのか?そもそも俺たち、まだ兄妹じゃないんだぞ」

建一さんも知っていたんだ。母達が帰ってきたら入籍することを…

私の鼓動は激しくなる。

「知らなかったのか?」

私は首を横に振る。

「知ってた。ちょっと前にお母さんから聞いた。でも建一さんがそのことを知っているなんて…知らなかった」

「入籍を新婚旅行から帰ってきてからにしたほうがいいと助言したのは俺だから」

「え?」
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