イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
今日からここが自宅でも他人の家にいる様でどこにいれば邪魔にならないのかわからず落ち着きがない。

しかし母はここへ何度も来ているのだろう。引っ越し業者さんに指示を出している。

「みずほ?」

「は、はい」

「もう何緊張しているの?これからここがあなたの家なのよ」

「いや、無理だよ。慣れる自信がない」

母のイキイキした姿と切り替えの早さに脱帽もんだ。

私の荷物は2階に持ってかれる。

母の後について行く。

「ここが私と彼の寝室ね。そして…ここが書斎。……そしてここが建一さんのお部屋でその横がみずほの部屋。入ってみて」

母に促され部屋に入ると自分の目を疑った。

大きな窓には高級感のあるレースのカーテンが風にゆれている。ベッドは明らかにセミダブルだ。私が使ってたパイプのベッドじゃない。そして新品のマットレスにナチュラルテイストの枕や布団。

その横には同じ素材のミニチェストがあって、ランプシェードもナチュラルだ。他にもベッドと同じシリーズのデスクとテレビ台、大きなチェストの上には花が飾ってある。

もう完全に出来上がっている。まるでショールームだ。
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