イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「どうしてここに？」

部長は私の質問を無視するかのように店員に日替わり定食を注文した。

「私が連絡したの。だってみずほだけが辛い思いするの嫌だったし」

文佳がドヤ顔で私を見た。

「大体の話は寺田さんから聞いた。勝手に言わせとけば良いってわけにはいかないからな･･･なあ、みずほ」

「は、はい」

緊張で背筋が伸びる。

「取り繕うのは面倒だから俺が公表するよ」

「えええ？」

「えええじゃないだろ。ま～俺に任せとけよ。誰にも文句を言わせないようにするから」

「はあ～」

何を考えてるのかさっぱりわからないがここは委ねるしかないかな。

そして文佳と宮田さんをみるとなぜか二人は口をポカンと開けたままだ。

「どうしたの？」

「え？！いや、こんな部長初めて見た。かっこよさがいつもの2割増しって感じ」

宮田さんも同調するように何度も頷く。

「本当に男前すぎますよ。いつもの部長と今の部長、どっちが本当の部長なんですか？」

宮田さんの質問に部長はニヤリと笑った。その笑いが何を意味するかわかった宮田さんは再び驚いた。

「いつもの部長もいいけど今の部長もいいな～。こんな部長みんながみたらまたファンがふえちゃうわよ～」

文佳がチラリと私を見てニヤリとする。

え？！そうなの？

すると部長が私の頭をポンポンと叩く。

「大丈夫、みずほ以外には見せないから」

そのさりげなく余裕のある言い方に宮田さんの方が参ったとばかりに

「やっぱり永遠のお茶友でいいです」と言って定食のフライにかぶりついた。
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