イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「どう?素敵でしょ?」

素敵という言葉の前に驚愕という言葉の方が似合いそうだ。

それほどの衝撃だった。とてもじゃないが素直に「ありがとう」とは言えなかった。

私らしさというか今まで住んでいた2DKのアパートでの暮らしがなかった事になったような寂しさを感じたからだ。

私の荷物がもの凄く浮いて見える。

「ありがとう…私荷ほどきするね」

幸せいっぱいの母に今の私の複雑な思いは通じない様で温度差を感じた。


しばらくすると社長が帰宅した。私は母に呼ばれ急いでリビングへ。

「今日からお世話になります。よろしくお願いします」と頭を下げる私に社長は

「そんな堅苦しい言い方はなしだ。僕はこんなキュートな娘ができて本当にうれしいんだ」

凄くうれしそうに微笑むが、昨日まで社長だった人が今日から父。

なんて呼べばいいの?

「お父さん」って呼ぶべき何だろうけど、父が亡くなって以来18年も言ってない。


はぁ~どうしたらいいんだろう。
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