イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます

「なんて顔してんの?」

「へ?」

視線を上に向けると文佳が呆れ顔で立っていた。そして席に着くと大きな溜息を吐いた。

「もう。今日はみんなどうなってんの?」

「どういうこと?」

「ん?宮田さんは朝から何度も溜息つくし、部長は一見普通に見えるけどたまに窓をぼーっと見てたかと思ったら・・・みずほも同じ様な顔しちゃって・・・なに?色ボケ?」

「色ボケって・・・」

私は、文佳に昨日の事を大まかに話した。

「要は、部長の事は好きだけどエッチが怖いって事だね」

「ふ、文佳!声が大きすぎる」

思わず身を乗り出してまわりを見渡す。

「でもそういう事なんでしょ?」

「そうだけど・・・」

力なく頷く。

「こういうのはさ~今日します!とかいついつするとかじゃないんだよね~。タイミング?あ~この人とひとつになりたい。この人と離れたくない。この人とだったらどうなってもいいって気持ちになったときだよ。みずほが怖いとか思っているうちはダメだね」

「ええ?!」
< 191 / 225 >

この作品をシェア

pagetop