イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「みずほ」

「はい」

「いきなりだけど・・・みずほを俺だけのものにしたい」

建一さんの私を見る熱い眼差しに、私の答えは一つしかなかった。

「私も建一さんから離れたくない」

不安じゃない言えば嘘になる。

自分の全てをさらけ出すのは人生においてこれが初めてになるのだから。

建一さんに見つめられてドキドキしているけど、これから起きる事への不安も重なって私の心拍数は人生初と言っていいほどドクドクしている。

でも逃げたいとか怖いという気持ちは全くなかった。


『だったら焦らず、流れに身を任すのが一番。今は不安だろうけどお互いの思いがピークに達した時には不安や怖さなんて吹っ飛ぶんだから』とアドバイスしてくれた文佳の言うとおりだ。

「もう、後戻り出来ないよ。いいんだな?」

「うん。だって私は建一さんと兄妹になるつもりなんてない」

建一さんが愛おしそうに微笑んだ

「俺も妹にするつもりは・・・ない」

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