イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
するとなぜか母が社長をみてクスッと笑った。

なぜ笑うの？ここは笑うところじゃないのに・・・そう思っていると

「やっぱり親子ですね」と母が社長に向かって言った。そして母の視線は建一さんへ。

「建一君。みずほは小さいときからワガママを言わない子だったの。きっとやりたいこともあっただろうし、欲しいものもあったと思う。だけど私に気を使っていろんな事を我慢してきたの。そんなみずほが自分の本音を私に言ったのは初めてかもしれない。それだけ建一君への事を思ってるってわかった。だから敢えて言わせてもらうわ。私の世界一の宝、みずほを幸せにする自信があるのならあなたに託す。だけどほんの少しでも不安があるのなら建一君と言えど渡すつもりはない」

正直愕いている。

母はどんなに辛い事があってもぜったに笑顔を絶やさず、ひまわりの様な人だ。

ちょっとふざけてる様な所もあったし、私が母を守ってあげなきゃいけないって思う部分も正直沢山あった。

でも本当は私の方が母に守られていたんだって今の言葉で気付かされた。

すると建一さんが立ち上がり姿勢を正す。私もつられるように立ち上がった。

「絶対に幸せにします。ですから・・・娘さんを僕にください」

建一さんが深々と頭を下げる。

「お母さん。私からも御願いします。建一さんと結婚させてください」
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