イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
そして母と社長は船に乗り世界一周へと旅立った。

出航し、しばらく手を振っていたが2人の姿が小さくなると「帰るぞ」という冷たい部長と共に車に戻った。

これから約3ヶ月こんな緊張感をキープしたまま生活するなんて耐えられない。

「あの…お話があるんですが・・・」

「なんだ?」

「2人が帰ってくるまでの間、マンスリーマンションに住もうと思ってるんです」

部長は何も言わず黙って聞いている。

「もし、食事が必要でしたらご飯だけ作ります。洗濯物もあれば2日に1度洗濯しに戻ります。だけど…さすがに義理の兄になったとは言え部長と一つ屋根の下というのは抵抗があるというか…これ以上部長を不快にさせたくないので…」

だけど部長は何も言ってくれない。

しばらく沈黙が続いたと思ったら急に車のスピードを上げた。

なぜ?

そんなにイライラさせるほど私の事が嫌いなの?

だったらマンスリーマンションの前でもどこでも下ろしてくれた方が気が楽。

だが着いた場所はマンスリーマンションでも不動産屋でもなく自宅だった。
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