イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「仕事熱心な事はいいが、もうちょっと言葉を選んだ方がいいと思うよ」

普段声にしない低い声。会社でもこんな声を出せるんだと感心する。

でもなぜ私を庇うような事をいうのだろうか?

「す、すみません」

何度もペコペコ頭を下げる牧村さん。

「ちなみにその試食はいつやるの?仕事中なら上司の許可を得る必要があるが・・・」

「そ、それが急なことなので就業後、第一会議室で行います。試食の人数は10名を予定しておりまして
レポートを書いてもらう事になっているそうです。もちろん残業代は出るそうでそのあたりは、だだ今上司が各部署にメールを送っているかと思います」

牧村君は姿勢を正し早口で答える。

「・・・ふ~ん。君の上司は西村課長だったね。わかった、俺も参加するよう連絡を入れる」

「は、はい。それで・・・あの・・・大沢さんは?その・・・参加出来そうですか?」

参加の有無を私にではなくなぜ部長に聞くの?と思ったが、とてもじゃないが口出し出来る空気ではない。

「彼女には参加してもらう」

他部署の部長が参加の許可って・・・そこはやはり七瀬建一だからか。

牧村さんは私と部長に思い切り頭を下げるとエレベーターではなく、階段を降りていった。
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