イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
そして残されたのは私と部長。

このまま黙って何事もなく持ち場に戻ろうとしたが・・・

「おい」

小声だがさっきと同じぐらい低い。

「何でしょう」

「誰彼構わずほいほいついてくんじゃねーよ」

部長は私の頭をポンと軽く叩くと階段で降りてった。


な、なに?今の?っていうかついてってないし、それにあれは仕事のことでしょ?

訳わかんない。

突き放したかと思えば庇うようなことするし、でも私に対してよく思ってないじゃない。

それとも七瀬フーズの名を汚すような事をするなって遠回しに言ってるの?

それならそうとちゃんと言ってほしいんだけど

でも何より悔しいのが頭に触れた手が言葉とは裏腹に優しくて、それにドキンとしちゃった事だ。


仕事に戻りしばらくすると課長から試食の件について連絡があった。

正式なオファーがあれば協力しようと承諾した。

< 40 / 225 >

この作品をシェア

pagetop