イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
試食の説明が始った。

「こちらの商品の良い点はいいので悪い点だけを遠慮せず、今お配りする用紙にご記入してください。パッケージ、商品名、見た目、味、値段とそれぞれの項目に記入してもらい、それが終わった方からお帰りください。分かっているとは思いますが、これらの情報を口外しないようプリントの一番下に署名をお願いします」

試食だと思って軽く考えていたけど思いの外大変な事だと今頃気付く。

しかもいいことを書かないというのは意外に難しい。自社のものは美味しいのが当たり前と捕らえがちでそこにだめ出しするにはそれなりの観察力は勿論自分の五感をフル稼働させる必要がある。

いつもパソコンの前で数字とにらめっこをしている私に出来るのだろうか?

でも、会議室の壁に腕を組んで見ている七瀬部長にバカにされたくなくてどんな些細な事も書いた。



私が書き終わる頃には10人いた女性社員は3人になっていた。

最後の項目を書き終え署名にサインをして提出すると、バッグを持って会議いつを出た。

普段やらないことをすると肩がこってしまう。私は交互に肩を回しながら会社をでた。
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