イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
会社から離れた場所にある部長の駐車場に行くと部長が車の中で待っていた。目があうと乗れと言われ、助手席に座る。

「さっき宮田さんから部長が私に用があるからって言われたんですが何だったんですか?」

「用なんてない」

「じゃあ何で・・・」

思いもしない言葉に驚き理由を尋ねた。

「合コン行きたくなかったんだろう?」

「え?」

もしかして合コンに行きたくないのが顔に出てたから?

でもまだ頭の中のクエスチョンは消えずじまいだ。

だって何で部長はここまでしてくれたの?

会社では優しい顔を見せているが、実際の部長は真逆に近い。特に私に対しては特別と言っていいほど優しくない。

だからこんなことをされる理由が見当たらない。

「なんか魂胆でもあるんですか?」

ここはありがとうございますという所なのに私は素直になれなかった。

「魂胆?・・・・・・自分の立場をあんたがわかってないからだ」

「立場?」

部長は大きな溜息を吐いた。

「表向きは大沢でも実際は七瀬だ。七瀬の名に恥じない行動をしろって言ってんだよ」

・・・・・・そういうことね。

お恥ずかしいが心のずっと奥のほうで、もしかして私が合コンに行くのが嫌だったのかなと思っていた。だけどそんなわけはないし、そう思った自分がめちゃくちゃ恥ずかしくなった。

「す、すみません」

すると車が動き出した。
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