イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
「部長これなんすか?」

「肉だろ?魚に見えるか?」

バカにしたように私を見下す。

「そんな事言ってんじゃないんです。いいですか?閉店間際にこんな高い肉を買う馬鹿いますか?」

「バカ?お前今俺にバカって言ったな!」

「言いました。バカです。まともな人間は敢えて見切り品を買うのが賢い買い方なんです」

どちらも一歩も引かない状態。私も手に持った見切り品を元の場所に戻す気はさらさらない。

しばしにらみ合いのあと部長がわざとらしく溜息を吐いた。

「わかったよ。だったら食べ比べだ」

「食べ比べ?」

「そう!食べ比べ。まずかった方が罰ゲームをする」

「・・・・・・罰ゲームですか?いいですよ。勝つ自信ありますから」

「言ったな。じゃあ~さっさと買い物済ませて帰るぞ」

部長の顔はさっきまでの仏頂面はきえていた。悔しいけど、こういう少年ぽい顔をされると胸がドキドキしまう。

でも相手は私の兄になる人なのに…
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