イジワル御曹司ととろ甘同居はじめます
あの時も思ったけど、宮田さんは他の男性社員と違って私の外見ではなく、私自身を見てくれる。

それは彼の目を見ればわかる。

だからあの時、お断りしたとき心苦しかったし何回も断るのも失礼だ。幸い部長が今日は泊まりの出張で帰りは明日。だから変な電話もかかってこないと思う。

それに宮田さんは七瀬の名に恥じる相手ではない。

「わかりました」

「え?いいの?」というと握り拳を握ってガッツポーズをする。そしてここで待っててといわれた。

そしてすぐに宮田さんが戻ってきた。

「はいこれ。これが本当の報告書。ちゃんと部長の印鑑ももらってるし、経費の範囲内の請求しか書いてないから確認してください」

私は宮田さんから報告書をもらいその場で確認する。

「これなら大丈夫です」

「凄い手間を掛けてごめん。それじゃ・・・仕事が終わったら…1階のエントランスで待ち合わせでいい?」

「はい。わかりましたでは・・・」

なんか急に緊張しちゃって最後は凄く事務的な態度を取ってしまった。

男の人と2人きりで会うなんて…何年ぶりだろう。

だがふと脳裏に浮んだのは部長だった。

何で部長の顔が?
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