超カリスマ美容師のチャラ男は幼なじみデス
ここ数年の私たちは、会えばこんな感じ。
会えば口論。
昔は、隼颯ももっと優しくて、良いお兄ちゃんのような存在だった。
なのに、カリスマとか持て囃されるようになったら、隼颯は変わった。
いわゆるチャラ男って感じで。
街ですれ違えば、毎回隣を歩く女が違う。
モデル体型の美人かと思えば、夜の蝶のような妖艶美人。
果ては、和装のしっとり美人。
そういった隼颯を見てから私は距離を置いた。
何故かって?
幼馴染みだけど、私は中学に入る頃から隼颯を異性として見てたから。
そして、連れ歩く女性が美人なのを見る度に思った。
あぁ、私は範疇じゃなんだなって。
だから、長々と続く私の初恋には終止符を打つべきで。
でも、長いこと想い、隣にいた人は簡単には嫌いになれない…。
自室でルームウェアに着替えながら、ぼそっと独り言が口をついて出る。
「恋心って思うようにいかないから厄介……、いっそ大嫌いになれたらいいのに……」
まさか、この発言を聞いた隼颯が激変するのを私はまだ知らない。