ファインダー越しの君へ
その日は撮影が終わると、圭は大判の本をカバンから取り出した。
「ほら、これ」
(わぁ・・・・・・)
それは海を思わせるブルーの写真が表紙の写真集だった。
「ありがとうございます」
そうっと受け取り、一ページ目を開こうとした瞬間、本の間から何かが落ちた。
「ん?」
(写真?)
拾い上げると、少し色あせたそれは、かわいい女の子が椅子に座ってクマのぬいぐるみを抱えている写真だった。
その笑顔は幸せに溢れていて、撮影者に全幅の信頼を寄せているのが伝わってきた。
(恋人?)
ふと思いついたのはそんな言葉だった。
「先輩これ」
はっとした圭は、塁から写真を奪い取った。
「見ないでくれ」
それは普段の圭から想像できないようなキツイ言葉となって教室に響いた。
「悪い」
「ごめんなさ・・・い」
塁が手を押さえてつぶやく。
「ほら、これ」
(わぁ・・・・・・)
それは海を思わせるブルーの写真が表紙の写真集だった。
「ありがとうございます」
そうっと受け取り、一ページ目を開こうとした瞬間、本の間から何かが落ちた。
「ん?」
(写真?)
拾い上げると、少し色あせたそれは、かわいい女の子が椅子に座ってクマのぬいぐるみを抱えている写真だった。
その笑顔は幸せに溢れていて、撮影者に全幅の信頼を寄せているのが伝わってきた。
(恋人?)
ふと思いついたのはそんな言葉だった。
「先輩これ」
はっとした圭は、塁から写真を奪い取った。
「見ないでくれ」
それは普段の圭から想像できないようなキツイ言葉となって教室に響いた。
「悪い」
「ごめんなさ・・・い」
塁が手を押さえてつぶやく。