ファインダー越しの君へ
7 妹
放課後になり、化学室へと向かう。

いつものように、椅子に腰掛け、撮影の準備が整うのを待つ。


「あの、先輩、おめでとうございます」


「ん?ああ、ありがとう。いや、こちらこそ」


圭は少し照れたように笑う。

 
「ほら」


そう言われて新聞を渡される。

そっと新聞を取り、記事を読む。

大賞のらんに大きく自分の写真が載っていた。


(これ・・・、私?)


夕日に照らされて、一筋の涙を流す写真の自分は、自分ではないみたいだった。

泣いたのは作り笑いを見抜かれたあの日きりだった。


(先輩の目には、こんな風に見えてたんだ)


自分の写真なのに、感動してしまった。


「きれー」


思わずつぶやいてしまう。


「ははっ。だから塁はきれいだって・・・」


その瞬間、がらりと教室のドアが開いた。


「ちょっと。人を撮ってるなんてきいてない!どういうこと?!」
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