ファインダー越しの君へ
ロングヘアの、お人形さんみたいな美少女だった。

美少女ににらまれて、塁は新聞を抱えたまま後ずさった。


「誰?」 


「美映(みえ)、何の用だ」


圭がたしなめるように言う。


(みえ?下の名前・・・、先輩の親しい人?)


「あんたが、かさいるい、ね。どういうつもり、お兄ちゃんに近づいて。写真まで撮らせて!!」


(え?お兄ちゃん?)


「美映っ」


「お兄ちゃんは黙って。騙されてるのよ、何でヒカリちゃん以外の女を撮る理由があるの。この女が無理やりさせたんでしょ、そうに決まってる!!」


そう言うと、美映は、塁の持っていた新聞を奪い取り、床に叩き付けた。
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