ファインダー越しの君へ
「は?」


塁は心が反射的に守りに入るのを感じた。


(何それ。初対面なのに、この人何なの?)


「は、じゃねーよ」


相変わらず、人に物を頼むには程遠い態度だ。

「そんなこと言われたって、私先輩に初めて会いますし、いきなりそんなこと言われても、モデルってどういうことするのかもわからないし・・・・・・」


もごもごと、塁はつぶやくように続けた。


(何で私なの、写真撮りたいならもっとかわいい子はいっぱいいるでしょ。せっかく夏休み前で楽しい気分だったのに)


うつむいてしまった塁を見やり、圭は頭をかいた。

「や、悪かった」

そして、窓の外を見た。


「いい天気だな」


つられて類も外を見る。夏の太陽が校舎を照りつけていた。


「?」


「そうですね」


「なぁ、部活とかやってる?」
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