【短】残月、残滓、残照、残恋。そして、残愛…。
「さーやちゃん、こっち向いてみてー?」
「えー?カタちゃん、これカメラチェックじゃーん!」
「1枚くらいいいでしょ?ね?お願い?」
「もぉ〜!仕方ないなぁ」
本当は仕方なくなんてないくせに、その子はにっこりと笑って、フィルムの中に収まっていく。
私は、それが物凄く不愉快だった。
…だけれど、それでもその心中を微塵も口に出すことなく、待たされているパイプ椅子にどっしりと腰を据え、スマホを弄っていた。
その中には、友人からの合コンのお誘いが幾つかあって、何時もは軽く流すけど、むしゃくしゃするから、今夜は参加してやろうかと思っている。
まぁ、それがこの立場で許されるかはまた別として…。
しかし…なんだって、こんなに苛立つのか。
それは、目の前で忙しなく動いてるコイツのせいか…。
それならば、更にイライラはMAXだ。