【短】残月、残滓、残照、残恋。そして、残愛…。
そうは思いつつも、その言葉に対してにっこり、笑顔という仮面を顔に貼り付けて、私はバッサリ切り捨てる。
「ソウの言うことはいちいち胡散臭い」
「なんでよ?こーんなに好きなのに?」
「そ、れ、が!1番胡散臭いの!」
長い巻き髪の端をくるくる摘んでスマイル。
レンズの向こう側へは可憐な微笑みを。
この男の言葉には、刺々しい塩対応を…。
それはいつも決まってるスタイル。
今日だって絶対に崩れはしない。
「あーや」
「気安く呼ばないでよ」