【短】残月、残滓、残照、残恋。そして、残愛…。


つん



わざとそんな態度を取るのは…。

もっと構われたいからなのかもしれない。



だけど…。



「ね、ソ…」



私の声に被せるように、癇に障るような甘ったるい声が入り込む。



「カタちゃぁん。このレフ板重いのぉ〜」


「かなちゃん?はいはーい。そんなん俺に任せてよー。ね、折角の綺麗な指が傷付いたら、俺泣いちゃうよー?」



このぶりぶりぶりっ子のアシスタントに声を掛けられ、なんの戸惑いもなく、その子の細い指に触れて気障な台詞を吐く、こいつの事が大嫌いだと、私はそう思う。



いや…。

そこは、そうに違いない!

< 7 / 36 >

この作品をシェア

pagetop