アナスタシア シンデレラ外伝
「え。。」
「驚いてるね。こんなところで会うとは思ってなかった?」
「いえ。。」
「幸か不幸か、僕、貴族なんだよ。三男だけどね。」
「。。。。」
貴族様の子供がどうして市場にいたのか、何故、自分と知り合いなのか、そして、どうして今ここにいるのか、アナスタシアは混乱して、言葉が出てこなかった。
「また君は、そんなどうでも良さそうな顔しないでよ。」
「いえ。あの。」
「まあいいや。本当はもっと話したいんだけど、そろそろ妹さんを助けてあげたほうがよくないかな。本人そんなに嫌じゃなさそうだけど。」
「えっ。」
見るとエラがギラギラした男達に囲まれ、おだてられチヤホヤされて、ねっとりと下品な視線の中で見世物になっていた。
「エラ!」
アナスタシアは男達の中に分け入ってエラを救出し、トレメイン伯爵の許へ連れ帰った。