【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
フッと笑って、背中に回した手で髪を撫でてくれる。
辻先生に抱き留められている状況に、じわじわと身体が熱を上げていく。
どこを見たらいいのかわからなくて視点が定らない。
「うちに初めて来た時、本当に動物が好きで、大事なんだなって、必死な姿見て思った。初めは、ちょっと興味半分でうちに住まわせたけど、そばに置いたら、どんどんひまりに惹かれてった」
「へ……?」
信じられなくて、都合のいい幻聴でも聞こえているのだと疑った。
先生が、私に惹かれた、なんて……。
「いつ伝えようかと考えてた。でも、今日のことがあって、すぐにでも言いたくなった。ますます心打たれたから」
信じられない言葉が次々と先生の口から紡がれていく。
頭も心もついていけないまま、ただじっと、次の言葉を待つ。
「だからこれから先は、無条件でそばにいてくれないか?」
髪を撫でていた手が後頭部に添えられて、先生の唇が耳元へと近付く。
囁くように「ひまり」と名前を呼ばれて、胸が震え上がった。
「好きだ」
心臓が今まで体験したことがないくらい大暴走を始める。
その音が身体の表面に響いて聞こえていそうで、咄嗟に両手で胸元を押さえていた。