【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
乱れた呼吸がやっと落ち着いた頃、先生は素肌の私を腕の中に閉じ込めたまま、「今日……」と、話を切り出した。
「この間一緒に行った保健所に行ってきた。今日うちであった出来事を話して、今後、彼女が飼育している動物を持ち込んできても簡単には引き取らないようにとお願いしてきた」
「そう、でしたか……」
あのラブリちゃんの前にも、保健所に持ち込まれた子がきっといるのだろう。
また新たに飼われていた子も心配だと思っていた。
でも、先生が注意喚起してくれたのなら、きっと大丈夫だろう。
「それから、あの時見たプードル、貰い手がみつかって譲渡されたらしい」
「えっ……本当ですか⁉︎」
思いもよらない知らせに、勢いよくベッドを跳ね起きる。
裸だったことにハッとして、目の前にあった枕で前面を隠した。
「良かった……本当に良かった!」
もう、安らかに天国に旅立ったとばかり思っていた。
こんなに嬉しい知らせはない。
鼻の奥がツンとして、視界がうるうるとしてくる。
そんな状態の私を先生は仕方なさそうに笑い、そっと優しく腕を引く。
抱えていた枕を抜き取ると、逞しい胸に包み込まれた。