【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


現れたのは、明るい髪色の男の子。……と言ってもいいくらい、若い感じの子だ。

『大学生です』と言われても納得がいく感じで、顔立ちも可愛らしい中性的な童顔。

先生の「ああ」という短い返事を受けると、こっちを見て愛想のいい笑みを浮かべる。

「キジトラちゃんだ」とじゃこのことを見つめ、動物好きがわかる眼差しを送ってきた。


「でも、もう上がっていいぞ。時間外だから」


その〝時間外だから〟は、遠回しに私に言っている嫌味的なものなのかと思ってしまう。

でも、ここまで来て引くわけにはいかず、ぐっと堪える。


「その診察台に下ろして」

「あっ、はい」


診察室の中には、中央に動物用の診察台が設置されていて、部屋の隅にパソコンや専門書、動物の骨格などの模型が置かれたデスクがある。

更にその奥の開け放たれた扉の向こうはオペ室らしく、手術台の上、物々しいライトが見えていた。

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