【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


「どんな環境で飼っている。飼っているのは、この子一匹だけか。外には出さず、室内飼いか」


矢継ぎ早に質問をされて、おろおろしてしまう。


「あ、はい。アパートですが、飼っているのはこの子だけです。外には出さずに飼っています」

「最近、外に出てしまったことは」

「え……あ、そういえば、何日か前にちょっと窓を開けた隙に飛び出してしまったことはありました。でも、しばらくしたら自分で帰ってきてくれて」


横たわるようにされたじゃこは、先生にされるがまま後ろ足を開脚させられる。

痛かったのか「ミャオ」と短く一声鳴き声を上げた。


「後ろ足のこの部分、中で化膿して膿瘍になっている。恐らく、その外に出ていった際に、どこかの野良にでも噛み付かれたんだな」

「えっ……じゃあ、ケガしていて、それが悪化したってことですか?」

「まぁ、そんなとこだ。結構ひどく化膿していて、一部皮膚も壊死しているから、切開して膿を出して、壊死した部分は切除のオペをした方がいい」

「お、オペですか⁉︎」

「抗生剤を飲ませて治癒していくレベルじゃない」

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