【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
話は終わりと言わんばかりに、じゃこをさっと抱き上げ、奥の扉へと連れていってしまう。
ちょっと、勝手に!と思ったものの、じゃこが嫌がらずに大人しく抱かれて連れていかれてしまうもんだから、文句一つ出てこない。
なんだか悔しいような複雑な気分が膨れ上がる。
我慢ならなくなって、じゃこがつれていかれた奥の扉まで付いていき、オペ室には踏み込まずに顔だけ覗かせて「あの!」と声をかけた。
更にその奥の部屋に、動物を休ませておくようなゲージが並んだ部屋が見える。
じゃこを連れていった先生は、その中にじゃこを入れて扉を閉めていた。
「説明は一通りしたんだが、聞いていたか?」
「へっ?」
「今日は痛みを和らげさせて、オペは明日。わかったら早く帰ってもらえるか」
じゃこがいる部屋から出てくると、後ろ手でドアを閉めながら「ただでさえ時間外に診てやってんだから」とやっぱり不機嫌にこちらを睨んだ。
「それとも、うちで診てもらうのが不満なら、お返しするが。他の医者に行くか?」
「そっ、そんなことは言ってません!」
「じゃあ今日はもう帰れ」