【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
度重なる心労の末……
翌日――。
八時出勤の仕事を遅刻する旨連絡を入れ、私はじゃこを預けた動物病院へと向かっていた。
職場である大学病院のすぐ近くに位置するから、そのまま出勤できる支度をして出てきた感じだ。
本当は仕事を休むと連絡を入れようと思った。
だけど、あの不機嫌獣医師のことだ。
術後で経過観察は病院でするんだから、お宅が仕事を休む必要はない――とか、バッサリ切り落とされ兼ねない。
いや、間違いなく、さっさと仕事に行けと言われそうだ。
昨日は追い返されて帰ってからも、なかなか気持ちが落ち着かず、夕飯も食べずにぼんやりとしてしまっていた。
だからといって眠れたわけでもなく、寝付きが悪かった上に夜中何度も目が覚めた。
結局、大して寝ないうちに外が白んできてしまい、もう駄目だとかなり早い時間にベッドから出たのだった。