【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
病院食堂は様々な人が利用している。
患者さんや院内で働く職員を始め、病院内に出入りする業者や来客、安くて美味しいと評判だから、周辺の地域住民なんかも食堂にランチにきたりもするらしい。
「今日も中華丼にしたの〜! この間食べたら美味しかったからさ」
彼女、中条(なかじょう)雪音ちゃんもうちの食堂をよく利用してくれる常連の一人だ。
製薬会社のMRとしてここの大学病院に出入りしている雪音ちゃんとは、同じ歳ということでいつの間にか仲良くなった。
最近では、仕事後に一緒に飲みに行くほどの仲で、ちょうど昨日仕事帰りに一杯したばかりだったりする。
「じゃあ、ウズラの卵二個入れちゃうね〜」
「えっ、嬉しい! ありがと〜。あ、そうだ、にゃんこはどうなの?」
「あー、うん、特に変わりなく、かな。でも、やっぱり元気はなくて」
「そっか……早く元気になればいいね」
雪音ちゃんの心配に「ありがとう」と答えながら、今頃どうしているだろうと急に様子が心配になった。