【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
「なんだ? まだ診療時間前なんだが」
「すみません、気になって、つい……昨日も、眠れないくらい心配で」
そんな自分の状態までつい吐露してしまい、慌てて口を噤む。
じっと見つめられるその視線が鬱陶しそうな色を滲ませていて、話題を変えるように慌てて口を開いた。
「あのっ、じゃこの具合は……」
「問題ない。今日、予定通りオペを行う」
「そうですか、良かった……では、ここで待たせてもらっても?」
「待つ? オペは午後外来を閉めてから行うつもりだけど」
サラリと言われて、思わず「えっ!」と声を大にリアクションしてしまう。
う、嘘。朝からやってもらえるとばかり思い込んで来ちゃったんですけど……。
「いいじゃないすか、診療前にやってあげたら」
困りかけた私に救いの手を差し伸べるように話を割ってくれたのは、出てきた先生と入れ替わって姿を消していた室屋さん。
いつのまにか受付の内側に入っていて、何か作業をしながら先生と私にチラリと視線を送る。